わすれもの

2014年8月、はじめての妊娠が稽留流産でした。その時の記録。と、2015年8月に生まれた娘の記録。

稽留流産 手術当日

張り切ってAM7:00起床。

今日は稽留流産の手術当日。

旦那さんは、転職先の大事な面接日。

病院に付き添ってもらえないのは寂しいけれど、本当に大事な面接だ。

 

今日のスケジュール。

AM  8:45 病院受付〜子宮の口をひらく施術

AM12:00 手術(10分くらいで終わる予定)

PM15:00 麻酔が落ち着くまで病院で休憩→その後帰宅

 

今日かかる費用は、12000円程とのこと。

 

道がやたら混んでいて、着いたのがAM8:50頃だった。

旦那さんに、何時に家を出るのか聞かれた時、AM8:30で良いっしょ!と言ったら、遅いだろ!と怒られたが、結局AM8:30過ぎに慌てて家を出た。

お母さんとわたしの悪い癖だ。

結果、間に合ってないし・・・

 

病院に着くと、妊婦さんが5名程いた。

ふと隣を見ると、暗い顔をした夫婦もいた。

看護師さんがその奥さんの方にコソコソ話しかけている。

その後、同じ看護師さんがわたしの方に来て、昨日のAM0:00から何も食べたり飲んだりしていないかのチェックをされた。

あぁ、隣の人も同じ手術なんだな、と思った。

 

少しして、検診のときと同じ部屋に呼ばれる。

エコーで最終確認をする。

やっぱり心拍が確認できない。

泣きそうになったが、こらえた。

先生から最終の説明をされ、そのまま子宮の口を広げる棒を入れる施術へ。

 

痛い!!!!!!!!!

なにか、ステンレスのような器具で子宮の口をカチカチ広げている。

歯を食いしばるほど痛かった。

もうこの時点で麻酔してくれよ・・・と思ってしまった。

 

何やら先生と看護師さんで話している。

「ちょっと待ってね〜」と待たされる。

どうやら初産婦のため、子宮の口が硬く、今別の器具を取りに行っているとのこと。

怖い。

この待ち時間が更に怖い。

 

しばらくして器具が到着する。

やっぱり痛い!!!!!!!!!

何をしているかさっぱりわからないが、怖すぎる。

 

20分程でやっと処置が終わり、2階に行くように指示される。

2階へ行くと、先ほどの夫婦がいた。

・・・やっぱり同じ手術なんだ。

 

2階にはナースステーションがあって、そこには産まれたばかりの赤ちゃんが4人くらい寝ていた。

あぁ、また泣きそう。

みんな同じ顔をしていた。

わたしも今頃3ヶ月半で、来年にはこうやって産んでたのかな・・・

辛い。

 

4人の大部屋に案内され、案内があるまで休んでいるように言われた。

部屋はとてもきれいで、大部屋だけど全く不快感も無く過ごせた。

下着はパンツだけにして、前開きタイプのつながっているパジャマを用意された。

さっそくそれに着替えて、お母さんと話す。

もし一人だったら、すごく不安だろうし、すごく時間が長く感じていただろう。

PM12:00前に呼び出され、3階へ。

 

怖い。怖い。怖い。

案内された部屋は、きっと分娩室だろう。

真ん中に椅子があり、広い部屋だ。

術後に履くパンツと、ナプキンを用意するように言われる。

看護師さん一人しかおらず、早口で説明され、椅子に座る。

右腕に血圧計、左腕に点滴をつけられた。

麻酔がどんなものかわからないまま、ずっと寝て待つ。

 

少ししたら違う看護師さんが入ってきて、

「では、麻酔入れますね〜」と言いながら点滴をいじる。

あぁ、そこから入れるのね、と思う。

その後すぐ、コットンのようなもので膣を消毒し出した。

「もう寝てくださいね〜」と言われたが、いやいや全然眠くないよ、怖いよ、と思っていた。

消毒していたコットンを、子宮の中へズボッと入れられた、その瞬間、意識が飛んだ。

 

どんどん狭いところに吸い込まれていく。

すごい速さだ。

上に行って、右に行って、下に行って、左に行って、一周するような。

どんどんどんどん狭くなる。怖い。

怖すぎて声が出ていたと思う。

異次元というか、死後の世界というか、覚えておこうと思ったけど、曖昧にしか思い出せなかった。

心のなかでは大声で叫んでいるつもりだった。

助けて・・・って感じだった。

 

気付いたら、耳から看護師さんの声が聴こえる。

「この間さ〜カラオケ行ってさ〜シダックス。キッズルームっていうのがあって〜、ケーキも出てきて〜、アナ雪歌って〜」

「え〜超良いね〜!」

話がどんどん耳に入ってくる。

え・・ちょっと待ってまだ終わってないじゃん?痛いよ?なんで?

麻酔切れちゃったの?怖い!怖い!怖い!

ひとりでパニックになっていた。

看護師さんがそんな話をしているのも、夢なのか現実なのかわからなかった。

目は開けられない。

手にも足にも力が入らない。

一生懸命、「痛いです。気持ち悪いです。」と伝えているのに、声が出ていない。

すごく怖かった。

途中で看護師さんが「終わったからね〜」と言ってくれたので、現実なんだとわかった。

目をうっすら開けてみると、ゆらゆらしていて、怖かった。

意識が朦朧としていたので、お母さんの顔や旦那さんの顔を思い出そうとしてみた。

輪郭と髪型は出てくるのに、顔が出てこなかった。

簡単な足し算はできた。

不思議だった。

 

終わった後、はじめての車いすに乗せられ、病室へ。

お父さんが来てくれていた。

3人で色々話をした。

お父さん、夜勤明けなのに寝ずに稽留流産の人のブログを読んで勉強してくれたらしい。

わたしが話すこと全てに「それこの人も言うてたわ!」と言うのがおかしかった。

昨晩から何も飲み食いしていないはずなのに、おしっこをやたらしたくなった。

 

同じ手術をした人は、麻酔中のことを、ジェットコースターみたいと表現していたらしい。

言われてみれば、わたしもそんな感じだった。

そんな楽しくなかったけど。

 

PM3:00頃、先生に最終チェックをしてもらい、手術中に入れた何かを取り出してもらい、異常もなく、料金を支払う。

結局、10700円だった。

 

お腹が空いていたので、帰りに3人でマックへ。

大好きなてりやきマックバーガーを食べたけど、そんなに美味しいと感じなかった。

 

お父さんとお別れして、お母さんとスーパーに寄り道して帰宅。

疲れた。

 

旦那さんはPM6:00頃帰宅。

お腹の痛みはそこまで無かった。

出血は、生理2日目くらい。

手術が怖かった話を何度もした。

旦那さんもお疲れ様。

もうこの手術はしたくないなと思った。